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【生薬・中薬図鑑】陳皮(ちんぴ)

更新日:5月21日

【行気薬】陳皮(ちんぴ)とは?

陳皮(ちんぴ)とは、ミカンの皮を乾燥させたもので、主に温州ミカンの皮を使います。


生のうちからでも使えますが、「陳(ふ)るほど良い」と言われ、数年寝かせて熟成させたものほど薬効が高いとされ、昔から漢方薬や薬膳の材料として親しまれてきました。

色々な日本の漢方薬にも使われているよ!



陳皮の効能

陳皮には体にうれしい働きがたくさん期待されています。

気の巡りをよくし、ストレスや胃腸のはたらきを良くすると言われています。

「気滞」と「湿邪」がある人にオススメ!




陳皮は【行気薬】に分類

・・・滞った“気”の巡りを良くする。気を体のすみずみまで行き渡らせたり、乱れた気の流れを整えるはたらき。


効能:理気健脾・燥湿化痰


  • 胃腸を整える:食欲不振や胃もたれ、ガスが溜まりやすい人に◎


  • 気の巡りを良くする:イライラや胸のつかえにやさしく作用


  • 痰や咳を鎮める:呼吸器の不調にも使われます


  • 冷えや水分代謝のサポート:むくみや冷えが気になる人にもおすすめ




陳皮の「五味」「五性」「帰経」
  • 五味:辛(しん)・苦(く)


  • 五性:温性


  • 帰経:肺・脾(ひ)


これは中医学で使われる考え方で、陳皮は体を温め、特に肺と脾(消化系)に作用するとされます。



陳皮が含まれる代表的な漢方薬

陳皮は実は、とっても使用頻度の高い漢方素材。以下に、陳皮が使われている代表的な漢方薬をいくつかご紹介。


  • 六君子湯(りっくんしとう)

  • 香蘇散(こうそさん)

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

  • 二陳湯(にちんとう)

  • 平胃散(へいいさん)

  • 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)


など・・陳皮は「気の巡りを良くして胃腸を助ける」役割があるので、多くの漢方薬で“サポート役”として活躍しています🍊



陳皮を控えたい人

陳皮は体を温める性質があるため、陰虚(体に潤いが少ない人)や熱がこもりやすい体質の人には刺激が強すぎることがあります。

喉が乾きやすい人や、のぼせやすい人、暑がりの人は摂りすぎに注意しましょう。


 △陰虚・実熱の人。気滞・痰湿がない人。



陳皮の使い方

日本の七味唐辛子、カレー粉などに用いられています。成分表示を確認してみてね!


  • 料理にプラス:煮物やスープに少し加えると、風味とともに胃にやさしい仕上がりに

    パウダー状にして薬味やドレッシングにしたり、スィーツに混ぜても〇

  • お茶として飲む:乾燥した陳皮を砕き、熱湯を注いで5分ほど抽出

  • お風呂に入れる:布袋に入れて湯船に浮かべると、爽やかな香りでリラックス効果も◎




自家製陳皮の作り方

自家製陳皮作りにチャレンジ!


  1. ミカンの皮をよく洗い、内側の白い部分(ワタ)は軽く取り除く

  2. ペーパータオルなどで水気を拭きます

  3. 風通しのよい場所で1週間〜10日ほど天日干し(雨の日・夜は室内で)

  4. カラカラになったら、使いやすい大きさにカットしたり、ミルで粉末状にし、密閉容器に入れて保存


※無農薬のミカンを使用するのがおすすめです。

※カビに注意しましょう







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