【季節の薬膳】春の養生~心と体を目覚めさせる、やさしい時間の過ごし方
- 薬膳Licorice
- 4月30日
- 読了時間: 4分
更新日:5月7日
春の空気は、どこかふんわり・・・とやわらかくて、目覚めた瞬間から心がほぐれていくような気がします🌸
自然界では、冬に静止していたエネルギーが動き出し、春は「陽気」がぐんぐん伸びる季節。草木が芽吹き、すべての生命が新たな息吹を取り戻し、活動を始める時期です🌱

古代中国の医学書『黄帝内経』の「素問」には、「春の養生」について、こんな言葉があります📖
※春とは立春(2月4日頃)から立夏(5月4日頃)までの3か月のこと
「春三月、此謂発陳。天地倶生、万物以栄。」
春の三か月は、天地がともに生命を生み出し、万物が盛んに栄える時期である。
春は「発生」の季節。自然界に「発陳(はっちん)」の気が満ち、物事が始まる時期なんですね✨
「冬にためこんだものを解き放ち、春に向かって新たに生まれ変わる🌱」とき
この「発陳」の季節には、私たちの体も自然のリズムに合わせて、のびやかに心と体を目覚めさせ、陽気を巡らせることが大切なんです。
もし、春の陽気に逆らって体を動かさずにじっとしていると、伸びようとする陽の気(エネルギー)が内に滞り、やがて病のもとを作ってしまうことにもつながります💦
だからこそ、春の朝は、そっと体を起こし、軽やかに動き始めることが、健やかな毎日への第一歩になります✨
春のおすすめモーニングルーティン
1.早起きをしよう
「黄帝内経」によると、春の夜は少し夜更かししてもよいですが、朝は早く起きることが良いとされています。
早起きを心がけ、気持ちのよい一日のスタートを迎えましょう。朝寝坊をして体を動かさずにいると、陽気の巡りが滞り、夏になっても汗をかきにくくなり、冷え性の原因になることもあります。

2.ゆったり目覚めて、深呼吸
朝、目が覚めたら、急に飛び起きるのではなく、目を閉じたまま、深くゆっくりと呼吸を3回してみましょう。体に朝の空気を送り込むようなイメージで。

3.カーテンを開けて、朝日を浴びる
朝の光をたっぷり浴びると、自然と心も体もシャキン!とします。
自然のリズムに合わせて、体内時計が整い、エネルギーがより自然に循環します。
4.軽いストレッチや外を少し歩く
散歩やストレッチなど、のびのびと気を巡らせる活動を。
(ただし、過度な運動で疲れすぎないこと!気を消耗してしまいます💦)

『黄帝内経』には、こんな教えも・・・
「夜臥早起、広歩於庭、被髪緩形、以使志生。」
夜は遅く寝てもよく、朝は早めに起きて庭をのびのびと歩き、髪をほどいて体をゆるめ、志(こころざし)を生じさせる。
天地自然とともに、人もまた内にこもったエネルギーを外に向かって発散し、のびのびと過ごすことが春の養生の基本。
朝は、体も心もぎゅっと縮こまるのではなく、髪をほどき、外に出てゆったりと散歩するなど、のびのびと活動することが、春にふさわしい自然な養生になります。
のびやかな環境を整え、穏やかな活動から一日を始めること。それが、春のエネルギーと調和した、健やかな暮らしへとつながっていきます。
5.温かい白湯を飲む
寝ている間に失われた水分を補いながら、内臓をやさしく目覚めさせます。
暖かくなったからといって、急に薄着にしたり、体を冷やさないことです。本格的に夏を迎えるまでは体を冷えからしっかり守りましょう!

6.肝をいたわり、気の巡りを助ける朝ごはん
春は「肝」の働きが活発になる季節でもあるため、肝をいたわり、気の巡りを助ける食材を選ぶことが大切です!
肝臓は解毒を司る臓器。
冬の季節は寒さから身を守るために、熱や水分が体外に排出されにくくなっています。
冬の間に体にたまった不要なものを自然に発散・デトックスし、巡りを整え、のびやかに夏を迎えましょう✨
春におすすめの食材・味
・気を巡らせるもの
(軽い辛味・香りのあるもの:葱、しょうが、春菊、シソなど)
→ 滞りを防ぎ、肝の疏泄(そせつ=巡らせる)作用を助けます。
・少しの酸味のもの(梅、レモン、柑橘類)
→ 肝を適度にきゅっと引き締めて助けます。ただし、摂りすぎ注意。
※ 肝気が高ぶっている(=気がこもっている・イライラ、怒りやすい、胸苦しい)人は、さらに内側に気がこもり、症状が悪化することがあるので、酸味は控える。
・解毒・デトックスを助ける春野菜や香味野菜
(たけのこ、ふき、たらの芽、クレソンなど)
→ 自然に体の巡りを整えます。
春の朝の養生まとめ
春は、自然界も私たちの体も、 新しいエネルギーを育てる季節です🌸🌷。
少しだけ早起きし、朝の光🌞を浴びて体を動かし、体にやさしいごはんをいただく。
そんなシンプルな時間が、一日の巡りを、そしてこれからの毎日をきっと変えてくれるはず🌸
春の朝、自分を慈しむひとときを、ゆったりとお過ごしください🌞