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【生薬・中薬図鑑】 金木犀きんもくせい(桂花)

【行気】金木犀/きんもくせい(桂花)とは?

イライラしたり、なんだか気分が沈んで元気がでないとき。

桂花(金木犀)のお茶は、気を巡らせることで、イライラ、鬱々、不安をふんわり軽くしてくれると言われています。


ドラマ「しあわせは食べて寝て待て#7」で、はじめましての3人が金木犀のお茶を飲むシーンがありましたが、緊張がほぐれ、自然とおしゃべりが弾むきっかけになったのかもしれませんね✨



中医学では「桂花(けいか)」と呼ばれ、れっきとした生薬として古くから親しまれてきました。


よく洗って、乾燥させた桂花にお湯を注ぐ桂花茶❀
よく洗って、乾燥させた桂花にお湯を注ぐ桂花茶❀


金木犀/きんもくせい(桂花)の効能

中医学では、体をあたため、気を巡らせ、ストレスや冷え、胃腸の不調にもやさしく働きかけてくれるといわれています。


「理気」などの作用をもち、滞った“気”をやさしく動かしてくれる花。香りだけでも癒しの効果があります。




金木犀/きんもくせい(桂花)【行気薬】に分類

・・・行気薬(こうきやく)は、体の中を巡る「気」の流れを整えるために用いられるお薬や食材のことです。


気の流れが悪い=気滞の状態では、イライラや、なんとなく気分がモヤモヤしたり、ため息が増えたり、お腹の張りや食欲のなさ、月経前の不調などがあらわれることがあります。


そんな心や体の不調を、穏やかに、ふんわりとほどいてくれる金木犀。


効能:理気・温中散寒・化痰・散瘀



  • 気(エネルギー)の流れを整える:ストレスや緊張などで気の巡りが滞る(気滞)と、胸がつかえたり、お腹が張ったり、イライラしたりします。

    桂花は、この「つかえた気」をふんわりと流し、心と体をスッキリ軽くしてくれると言われています。


  • お腹の中を温めて、冷えによる不調を和らげ:冷たいものの摂りすぎや、体の冷えが原因で、お腹が痛くなったり、下痢になったりすることがあります。

    桂花は、やさしくお腹を温め、冷えによる胃腸のトラブルを改善してくれる作用があると考えられています。(温裏薬の乾姜などと比べて、桂花は温める力は穏やかです)


  • たまった痰(たん)を取り除く:体にたまった余分な湿気や痰を取りのぞいて、呼吸を楽にしてくれる力があると言われています。


  • 滞った血の巡りをよくする:血流の悪さが原因で痛みやくすみ、月経不順などが起きることも。桂花は、やさしく血の流れを促して、滞りをほどいてくれる働きもあるとされています。



日本の一般的な漢方処方にはありませんが、薬膳茶や民間療法では今でも親しまれている中薬です。

香りをただ感じるだけでも、ふわっと心がほぐれていくような癒しを感じます✨



金木犀/きんもくせい(桂花)の「五味」「五性」「帰経」
  • 五味:辛


  • 五性:温


  • 帰経:心・肝・脾・胃


これは中医学で使われる考え方で、金木犀は体を温め、特に心・肝・脾・胃に作用するとされます。






金木犀/きんもくせい(桂花)の使い方

乾燥させた花をお茶にしたり、白湯に浮かべて飲むのもおすすめです。

また、紅茶や烏龍茶にほんのりブレンドすれば、リラックスタイムにぴったりの香りのご褒美に。秋の夜長、気持ちがざわつく日も、金木犀の香りがそっと寄り添ってくれるはずです。


●お茶(桂花茶)・・・乾燥させた桂花にお湯を注ぐだけで、香り立つ薬膳茶に。紅茶や烏龍茶とブレンドしても美味しくいただけます。🍵


●薬膳酒(桂花陳酒)・・・金木犀は、かの有名な楊貴妃が愛した「桂花陳酒(けいかちんしゅ)」の香り付けにも使われていました。

桂花陳酒とは、白ワインなどに金木犀の花を漬け込んで熟成させた薬膳酒で、ほんのり甘く華やかな香りが特徴です。中国では、気血の巡りをよくし女性の美容と健康に良いとされています。宝酒造さんでも販売されていますね!


●お菓子・料理にプラス・・・桂花はほんのり甘くスパイシーな香りがあるので、薬膳スイーツや中華デザートの風味づけに使われます。桂花ジャムやシロップをヨーグルトやトーストにしたり、ゼリーに入れたり


●アロマ・ポプリとして・・・乾燥させた桂花の花は、ポプリやサシェ(香り袋)にして使うと、お部屋やバッグ、枕元などにやさしい香りが広がります


●桂花入りのバスソルトや入浴剤・桂花エキス配合のボディクリームやミスト、石けん



注意 ⚠

・香りに敏感な人・アレルギー体質の人はパッチテストをした方が安心です。

・香りが強く気を動かすものが「流産を引き起こす恐れがある」とされることがあります。

桂花の使用はごく少量であれば問題ない場合が多いですが、妊婦さんや妊活中の方は念のため控えるか、専門家に相談をおすすめします。

・桂花は 「辛温性」=温めて発散させる性質 があるので、のぼせやすい、口が渇きやすいなど「熱」の症状がある人は使いすぎに注意です!




目に見えない疲れや、ふとした不安を感じるときほど、香りの力を借りて深呼吸してみてください。季節の恵みを、心と体で味わってのびやかに過ごせますように🌼🌿





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