top of page

【季節の薬膳】梅雨の養生~体から湿を追い出して、こころとからだを軽やかに

二十四節気の中で、梅雨と重なるのが「芒種(ぼうしゅ)」や「夏至(げし)」のころ☔。

2025年は、6月5日が芒種、6月21日が夏至にあたります。


この時期は、雨が多く湿度が高くなる“梅雨”のシーズン☔。

湿度が高い日本の季節の中でも特に「湿気」とうまく付き合うことが大切といわており、まさに“薬膳養生の知恵”が活きる時期です!


古代中国の医学書『黄帝内経』には、現代でいう「梅雨」という言葉は出てきませんが、「長夏(ちょうか)」といって、梅雨時期に相当する季節について語られています。📖



※「長夏」とは、夏と秋の間のことを指しています。『素問』の「長夏」は現代でいう「梅雨」とは時期がずれていますが、“湿が盛んな時期”という共通点があるため、現代の梅雨を“長夏のような状態”とみなして養生を行っています。

※また、立春・立夏・立秋・立冬の直前の18日間は、それぞれ「土用(どよう)」と呼ばれ、季節の変わり目にあたります。この時期は五行でいう「土」に属し、土の気が最も旺盛になるとされます。土は「脾」と関わりが深く、湿気や気候の変化に影響されやすい臓でもあります。そのため、土用の時期は、梅雨と同様に脾の養生がとても大切な時期と考えられています。

梅雨は、大地を潤し、植物たちが一気に成長する時期でもありますが、湿気が多く、空気が重たく感じられる季節です🌧️

湿度が高くなり、自然界には「湿(しつ)」の邪気=湿邪が満ちていきます💧


この湿邪の影響を受けやすいのが、私たちの「脾(ひ)*」という「臓」。


なんとなく重だるい、むくみやすい、食欲が出ない、朝起きてもすっきりしない、気分が落ち込んだりやる気がでない…そんな不調は、実は湿邪による「脾」の疲れかもしれません。


さらに、湿は気の巡りを停滞させるため、気分が落ち込みやすくなったり、心がうつうつ晴れないと感じることもあります☁️🌀(気の巡りは、心の巡り。 「気」がつまると、心もつまってしまうんです😢。)


だからこそ梅雨の時期は、「余分な湿をため込まず(体も除湿!)、脾を労わり、気の巡りを整える」ことがとても大切



*脾・・・西洋医学の「脾臓(ひぞう)」とは違って、中医学での「脾」は、消化や栄養、エネルギーを全身に巡らせる“消化器官”を指します🌾中医学では、「脾は湿を嫌う」と言われており、湿気の多い梅雨は、脾のはたらきが落ちやすくなります。



梅雨のおすすめルーティン

1.目が覚めたら、カーテンを開けて自然の光を感じて🌿

梅雨時でも、やわらかな朝の光を取り入れることで、体内時計が整い、ゆるやかに一日が始まります。(セロトニン分泌)

曇りや雨の日も、空の色や風の気配にふれて、自然のリズムを感じてみましょう。


気分もすっきり、気持ちよく1日がスタートします。





2.朝の自然な空気を体に取り込む意識で深呼吸

朝の自然な空気を体に取り込む意識で、ゆったりとした深呼吸を数回。

心拍を落ち着け、気を巡らせます。



3.室内もしっかり除湿・乾燥させる

エアコンの除湿(ドライ)機能などを活用して、暮らしの空間からも湿気を取り除きましょう❄️❄️。

外から入り込む湿気は、体に湿邪をためこむ原因にもなります。





4.白湯 or 陳皮入り生姜湯を1杯

朝の一杯の白湯や薬膳茶(陳皮入り生姜湯など)で補います

常温か温かいものを、少しずつゆっくり飲んでください。

(冷たいものは脾に負担をかけるので×)

腸を目覚めさせ、湿を追い出すスタートに。






5.軽いストレッチや散歩(室内でラジオ体操でもOK)

動くことで「気」が巡り、湿が停滞しにくくなります。食後に、朝の散歩や軽いヨガ、太極拳のように、呼吸を意識しながらゆっくり体を動かすことが◎



6.お風呂でじんわり汗をかく(ぬるめのお湯)

湿を外へ出すには湯船につかって軽く汗をかくのが効果的

ただし、汗のかきすぎには注意!気を消耗してしまいます💦





7.夜はスマホをおいてリラックスタイム

夜はスマホを置いて、心をゆるめるリラックスタイムを✨

ラベンダーや柑橘系のアロマ、陳皮、金木犀のお茶など、香りの力を借りて気の巡りを整えるのもおすすめです☕


読書や日記を書くひとときを通して、気滞(気の滞り)やイライラをやさしく手放し、一日を穏やかに締めくくりましょう。





8.「脾(ひ)」に優しい食事を選ぶ

梅雨は「脾」をいたわる食事を。

湿気の多いこの時期は、脾の働きが弱まりやすく、消化力が落ちがちです。

体にたまった余分な湿を出す食材や、香りのあるものを取り入れて、

気の巡りと胃腸の調子を整えましょう。





梅雨におすすめの食べもの
・体にたまった余分な湿を追い出す食材
(はと麦、とうもろこし、冬瓜、小豆、黒豆 など)

・胃腸の働きを助けて 脾を元気にする食材
(やまいも、じゃがいも、かぼちゃ、椎茸、米、棗など)

・香りで気を巡らせ 気滞やストレスを和らげる食材
(紫蘇、らっきょう、陳皮など)


梅雨に避けたい食べ方・食べもの
・体を冷やすもの、肥甘厚味(脂っこい、甘い、味の濃いもの)、暴飲暴食、早食い



梅雨の養生まとめ

ポイントは湿を溜めない・気を巡らせること。


●目覚めたら、天気の良い日は窓を開けて、朝日を浴びて深呼吸

●軽いストレッチや散歩(室内でラジオ体操でもOK)

●室内もしっかり除湿・乾燥させる

●白湯や脾にやさしい(消化のよい)食材で体をととのえる

●お風呂でじんわり汗をかく

●夜はスマホをおいてリラックスタイム



その小さな養生の積み重ねが、梅雨を軽やかに過ごす力になります☔️。


雨の日でも、心地よく過ごす工夫をして、リラックスした時間を楽しみたいですね🎶

たとえば、読書や気になる資格の勉強(薬膳の学びオススメ✨)、映画鑑賞、お部屋の模様替えやお料理など、自分のペースでできることを取り入れてみるのはいかがでしょうか🥰私も探してみます!


ストレスをためない工夫が、心と体の元気を保つ梅雨の養生につながります。


体から湿を追い出して、こころもからだもすっきりと。

じめじめの季節、無理をせず、ゆったりと自分を整える静かな時間を、どうぞ大切にお過ごしください🌿。🌻

bottom of page